5月病の漢方的原因と改善策
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
GWはゆっくり出来ましたか?
私は遠出こそしなかったものの、子供たちと毎日公園で遊び、休み明けの今日が【本当の休み】という感じがしています。
さて、5月病ですが、漢方的な原因を考えると大きく2つ挙げられます。
それが
①気滞(きたい)
②気虚(ききょ)
です。
①気滞
気滞とは字のごとく『気の巡りが滞っている状態』です。
これは、今でいう『ストレス過多の状態・交感神経優位の状態』に近いと言ってよいでしょう。
3月4月は気象の変化も大きく、また進学、転職、職場移動、対人関係の変化などの機会を迎える人も多く無意識に緊張状態になっているものです。
そういった緊張状態が続くと漢方において気滞という体調不良を招きます。
気滞になると鬱々する・イライラ・頭痛・眼精疲労・肩こり・お腹の張り・便秘(時に下痢)などを起こしやすくなります。
5月はそういった緊張状態による気滞が表面化しやすいと言えます。
しかし、ここで一つ疑問点が浮かぶ人もいるでしょう。
『五月病ってやる気が無くなったりする状態じゃないの?』
このような症状が表れる人は気虚を併発している可能性が高いです。
②気虚
気虚とは『気が不足している状態』です。
気とは心や体を動かすエネルギーのような存在のため、気が不足すると
・やる気がない
・気丈にならない
・気配りがしんどい
・気持ちが弱い
・気が入らない
などの症状が表れます。
これらの症状は5月病に関係なく、普段から気虚体質の人に多く見られます。
つまり、普段から心や体のエネルギーが不足している人が、気を使ったり、気を張ったりする生活をしていると過剰に気を消耗してしまい、心も体もエネルギー不足が深刻化していくのです。
そうした生活がいよいよ限界に来ると、『朝起きる気力すらなくなる状態』になり、我々がイメージする五月病になります。
このような気虚と気滞を併発した五月病を改善するためには【気を補う漢方・気の巡りを良くする漢方】がお勧めです。
代表的なものには星火健胃顆粒や逍遥顆粒、晶三仙、健脾散、開気丸など様々ありますが、体調や体質により使い分ける必要があるため、服用の際には必ずご相談ください。
5月病にならないためには、普段の生活から気を補い気を巡らせることが大切です。
そういう意味では
・ご飯を食べる→気を補う
・運動をする、趣味を持つ→気を巡らせる
・十分な睡眠をとる→気を養う
という、食べる、動く、眠るが重要になってきます。
五月病で来店される多くの方が、食事を抜いていたり、運動習慣がなかったり、夜更かしの傾向にあります。
漢方薬で五月病を改善することも大切ですが、同時に生活習慣を見直すことで、五月病の原因となった体質も改善していけると良いですね!
五月病になっている人は早めに改善することが重要です。
五月の疲れをほっておくと、六月病(梅雨による不調)も引き起こしやすくなります。
少しでも、倦怠感や怠さ、意欲の低下がみられたらご相談ください(^^♪