不安と漢方 『漢方で【心】を強く』
こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。
今日は不安感や弱気に対する漢方的なアプローチを書いてみたいと思います。
不安感を漢方的に考えると、実は原因はたくさんあり、その原因に応じて漢方薬や食事、生活養生を考慮する必要があります。
今回はたくさんある原因の中から『心気虚』についての紹介です。
心気虚とは五臓の中の【心】の気(エネルギー)が虚(不足)した状態を指します。
漢方における【心】には西洋医学における心臓と同様、全身に血を送る働きもありますが、【精神の安定や、意識活動にも関与する】という考え方は漢方ならではです。
心気虚が起きると血液循環の低下、気持ちの弱さが起こりやすくなり、具体的には
・動悸 ・不眠 ・物忘れ ・夢を見る ・気持ちがソワソワする
・無気力 ・呼吸が少なく話すのが億劫 ・疲労感
などがみられます。
厄介なのは、五臓の中の【心】は五季の【夏】に属すため、夏になると【心】の負担が強くなることです。
5月5日の立夏を過ぎて、暦の上ではすでに夏です。
【心】が弱い人にとっては少し辛い季節が始まっています。
気温が高い日に上記のような症状が目立つようであれば早めに【心】を強くする漢方薬を服用すると今年の夏が少し楽になるでしょう。
【心】の働きを良くする食材としては
【温める系】
・竜眼肉 ・らっきょう ・シナモン
【温めも冷やしもしない系】
・百合根 ・ぎんなん
【冷ます系】
・小麦 ・枝豆 ・ゴーヤー ・ゴボウ ・タケノコ ・ビール ・フキ
・緑茶 ・緑黄色野菜全般
となります。
心がガックリと落ちてしまい鬱々とする場合は温める系を、心がソワソワと落ち着かず気分が高揚している場合は冷ます系をとると良いかもしれません。
ぜひ、お試しください。